痙攣について その②
前回は熱性痙攣についてまとめましたが、今回はそれ以外の痙攣について書きます。
少し専門的なので適度に飛ばし読みして下さい。
また、これ以上の詳しい内容は、主治医に相談してください。
可能ならば小児科の中でも神経を専門とする医師に聞いた方が良いでしょう。
痙攣の種類
前回記載しましたが、痙攣は大きく分ければ下記の二つにわけられます。
1)発熱によるもの
2)発熱以外によるもの
1)発熱によるもの
多くは小学校に入学する頃には落ち着きますが、いくつか例外があります。
インフルエンザでは8歳や9歳でもしばしば痙攣することがありますが、
痙攣が単純型の場合は予後が良いです。(新型コロナに関してはよくわかってません)
また、単純型熱性痙攣は将来のてんかん発症リスクを上昇させません。
しかしながら、7歳以降に痙攣した場合は状況が変わります。
熱性痙攣プラスという病名がつき、症状や頻度に応じてフォローが必要です。
2)発熱以外の原因によるもの
①胃腸炎に伴う痙攣
③てんかん
④脳の器質的疾患によるもの
⑤神経筋疾患、代謝疾患
①はその名の通り、ノロやロタなどの胃腸炎にかかった際に痙攣することがあります。
1歳~3歳くらいが多く、一回の感染で何度か痙攣することがあります。
複数回痙攣してしまうと基本的に入院で管理します。しかし、お薬を一度飲めば痙攣はピタッと止まることが多いです。(テグレトール® 5mg/kgを飲ませます)
②は食べられなかったり、熱中症が原因でなりますが、血液検査でわかります。
痙攣するくらい重症なので、入院で足りない水分・塩分や糖分を補充します。
③は発作の形式などから全般型・局所型などの種類があり、種類によって薬をつかいわけます。成人してからも続くことなどもありますが、発作が落ち着いているようであれば運転免許の取得も可能で、日常生活に支障はありません。
④髄膜炎・脳炎/脳症・腫瘍などがあります。しっかりとした対応が必要になり、入院期間も数週間単位になってしまう可能性があります。
⑤珍しい疾患です。一回の痙攣は長く続かないことが多いですが、普段からかかりつけ医に痙攣したときの対処を相談しておきましょう。
検査
複雑型の熱性痙攣やその他の痙攣の時に、下記の検査されることがあります
脳波検査 脳の働きを見る検査です
てんかんでは異常な波がでますが、一見波が正常でもてんかんを否定はできません
CT 放射線を使って脳の構造を見る検査です
被爆はありますが、日本ではすぐ検査できて、出血や腫瘍などがわかります。
MRI 磁石を使って脳の構造を見る検査です
CTと違い被爆はせず、精度も良いです。しかし検査時間がかかり、うるさいです。
終わりに
色々書きましたが、痙攣したときの家での対処は熱があってもなくても同じです
長く続いたり、何度も繰り返すものは入院が必要ですので、病院を受診してください